前作の「No Point In Holding On」のレビューを書いた際、彼は「本物」のアーティストだ、といった表現を用いさせていただいた。
「本物」だとか、こういった曖昧な表現はレビューにはふさわしく無いかもしれない。
だけれど、私の少ない語彙では、彼の創り出すこの音を他に表現できる言葉が無い。
より正確に言うとすれば、全体としての完成度が素晴らしすぎて言葉も無い。
ミクロな観点であれば、4曲目の「Lyra」のビートは芯のあるビートだ、とか、そういった月並みな表現はできるだろう。
けれども、ただ芯のあるビートなだけではない。彼の創り出す音楽は、一つ一つの音のクオリティ、メロディセンス、展開など、
全てにおいてあまりに素晴らしい完成度を誇っていると感じる。
だから、「本物」なのだ。ただ単に芯のあるビートを創るアーティストはたくさんいる。
これほど高品質な音楽を制作できるアーティストは本当に数少ない。
Alveolはもっと名が知れてほしい。本当に、一人でも多くの人に知ってほしい。
ryouta kaizu