Pawn / Hideki Umezawa [Best 5 Music of 2013]

Best 5 Music of 2013

Bernard Parmegiani

Bernard Parmegiani – De Natura Sonorum

本年度11月に亡くなられたBernard ParmegianiのRecollection GRMによるLP復刻版、オリジナルは40年近く前の1975年に制作されたものです。
初期電子音楽はあまりに膨大でどこから触れたらよいのか戸惑ってしまう事が多々で、BOXなどもリリースされるもののあまりのボリュームに聴く時間はなかなかとれません。
なのでこのMegoのINA-GRM作品のLP再発企画は代表作家の作品群に触れる丁度よい機会になります。
基本的に変調された電子音が中心ですが無加工の具体音が聴こえる曲があり、はっとするといいますかそこが逆に際立って不自然に聴こえる感覚に陥るのは面白い体験です。

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Daniel Blinkhorn – Terra Subfónica

近年良作のリリースが続くGuruenrekorderより、2013年度のArs Electronicaを受賞したBudhaditya ChattopadhyayではなくDaniel Blinkhornのアルバム。
2010年にオーストラリアにレジデンス滞在していた際に制作された作品のようです。
彼とはWinds Measureの無加工環境音のコンピレーションに一緒に収録された事がありその際は3曲計30分ほどのフィールドレコーディングを提供していたのですが、こちらは様々な具体/電子/楽器音を綿密に素晴らしいバランスで構築した2013年白眉のエレクトロ/アコースティック作品。

michael-pisaro-the-middle-of-life

Michael Pisaro – The Middle of Life (Die Ganze Zeit)

PisaroとJulia Holter,Oswald Eggerの連名作品、Wandelweiserからの静謐持続音作品で知られるAntoine Beugerも参加しています。
5ヵ国語で同じパッセージの朗読が入るのですが(2012年にPisaroと共作を発表した杉本拓さんも日本語の朗読で参加しています)こういった構成の作品に触れる度に感じる事は各言語の響きの違いや音そのものとしての面白さです。
場所/時間の異なる2つのフィールドレコーディング、サイン波、Pisaroによるピアノ、Antoine Beugerのフルート、Pisaroが率いるthe Dog Star Orchestraによる自作品演奏のリサンプリング、そしてJulia Holterによる美しい歌声などが美しく立ち現れては消え行く物語性を帯びた1曲50分の大作。

Opitope - a colony of kuala mute geeks

Opitope – a colony of kuala mute geeks

僕にとって本当に待望の作品で、思い返すと地平さんにお会いする度にいつ出るのですかと聞いていた気がします。忘れた頃にようやくです。
音源は僕も足繁く通っていた2005年から開催されていたKuala Mute GeeksでのOpitope+aの即興演奏録音集で凄まじい面々が参加しています。
即興音源/ライブ音源をパッケージングした作品にあまり惹かれる事はないのですが、この盤に関しては絶対的にリリースする必要がありました。
全編に渡って大胆かつ緻密に処理された電子音やパルスが目まぐるしく展開され、最後の曲には伊達さんの弟さんの歌まで。
現在までに至る電子音楽の総括のような内容です。

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鈴木昭男 + Evala – 大きな耳をもったキツネ

これは音源作品ではなく現在ICCの無響室にて展示/設営されているインスタレーション作品です。
僕はあまりの凄さ/面白さに声をあげて笑ってしまいました。
鈴木昭男さんの耳の置き方/開き方にevalaさんが耳を重ねて音を捉えること。
それらの音が表現方法の変換を経て迫り来る8.1ch立体音響作品です。

Pawn-_-Hideki-Umezawa
Pawn / Hideki Umezawa – 梅沢英樹
1986年生まれ、東京都在住。電子音楽を軸に国内外より10の音楽作品を発表。近作として3つのアルバム『Tone Sketch』『Glimmer of Sunlight』『Suido-Kan』がある。
そして2013年12月、6枚目となる最新アルバム『Portrait Re:Sketch』をPROGRESSIVE FOrMよりリリースする。

【アルバム紹介】
Pawn / Hideki Umezawa – 梅沢英樹による2年振り、6枚目となるアルバム『Portrait Re:Sketch』は、前作『Tone Sketch』の素材をベースに総勢15名の参加者を迎え、完全に再構築された作品。非常に幅広い内容となっており、中でもDumb Type高谷史郎のプロジェクトメンバーとして活動する原摩利彦、2013年度の日本音楽コンクール1位を獲得したことでも注目を集めている現代/電子音楽家の網守将平との共作曲は電子/現代音楽を跨ぐ要注目作となっている。

ヴォーカリストとしてMoskitoo、fraqsea(Shelling)、柳本奈都子(rimacona)が参加。
また、前作『Tone Sketch』収録のcokiyuヴォーカル参加曲の再構築版を収録。
lycoriscoris、Seiji Takahashiといった要注目の電子音楽家との共作楽曲、自らがボーカルをとる楽曲など、マルチなトラックメイキングが披露されている。
海外からはIan Hawgood、K-conjogが参加。
加え、世界基準で活躍するVegpher、Avec Avec、Quarta 330、Simon Scottによるリミックスも収録。

マスタリングはアーティストとしても高い評価を得る柏大輔が担当。
アートワークは斉藤和義やgroup_inouなどのミュージックビデオも手掛ける
画家/イラストレーターのオオクボリュウが担当。

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