M83 – Hurry Up We’re Dreaming
実は今年はいま話題の(もう遅い?)チル・ウェイヴ関連の作品を沢山探して意識的に聴いていたのですが、なんだかんだでやっぱりM83のこの作品が最も好きでした。でもキッカケはトム・クルーズ主演の映画『オブリビオン』を観て音楽が素晴らしかったから。昔から映画が大好きで、いまでも映画は1ヶ月に8本くらいは観ています。映画や映画音楽から色々と発見やインスピレーションを得ることも多いのです。
Bun/Fumitake Tamura – Bird
『Adieu a X』の頃から好きで追っかけてます。お会いしたことはありませんが実は隠れた大ファンです(笑)。音のテクスチャーもグルーブもとにかく個性的なんですよね。今年リリースされた『Minimalism』はまだ聴けていないのですが、もうタイトルからして僕好みです。いやぁ、好きです(笑)
Yosi Horikawa – Vapor
いやぁ、好きです(2回目、笑)。フィールド・レコーディングはハンディ・レコーダー台頭と普及により、ともすればその手軽さからなのかトラックの背景の雰囲気作り程度にしか使用されないことが多いのですが、配役の妙と言いますか、Horikawaさんはかなり意識的にその役割を主役に近いところにポジショニングしていて、それをクラブ・ミュージックの文脈で提示しているのがとてもユニークで好きなところです。勉強させていただいておりますm(_ _)m
Mohn – Mohn
ドイツの老舗レーベル、ミニマルテクノの総本山Kompaktから、その創設者でもあるWolfgang Voigt(Gas)とJörg BurgerのユニットMohnの約17年振りのリリースとなる最新アルバム(待たせ過ぎでしょw)。北欧っぽい非常に奥行きのある音空間とまったりとしたアンビエント・ダブの要素が絶妙に混ざり合っていて良いんですよね。Yagyaをもっとエクスペリメンタル、インダストリアルにした感じでPJUSK (12k)辺りと近いテイストが気に入っています。それにしてもやはり北欧っぽいのって冬によく似合いますなぁw。
吉村弘 – Music For Nine Post Cards
最後はちょっと真面目に(笑)。第二次世界大戦のさなか1940年に生まれ、2003年に惜しまれつつ逝去した吉村弘のファースト・アルバム。主に環境音楽デザインや現代美術の分野で多大な功績を残した彼は、日本で恐らくもっとも都市や空間、環境と音楽の関係性という音楽そのものの在り方に意識的に取り組んでこられた先見者ではなかっただろうか。戦争により焼け野原となった日本の再生の象徴となった1964年東京オリンピック含め激動の時代を生き、新しい時代とそのための音楽の在り方を模索した彼の生き方は、3・11を経て再び2020年に東京オリンピック開催へと向かう日本と我々日本人にとって大いに学ぶべきところがあるように感じられてならない。
Yui Onoderaプロフィール
音楽家 / 建築音響デザイナー。音楽と建築を学んだ後、CRITICAL PATHを主宰して「空間/環境から捉えた音の機能と関係性」をコンセプトに音と音がつくりだす空間を含めたサウンド・デザイン / サウンド・スペース・デザインを手掛ける。2007年、アメリカの電子音楽レーベルand/OARより約45分全1曲のソロ・アルバム『suisei』のリリースを皮切りに国内外のレーベルより作品を発表し、イギリス「Wire」誌やドイツ「DE:BUG」誌、オーストラリア国営公共放送局の「ABC」やイタリア「RAI」など海外メディアを通じて広く紹介され国際的な評価を受ける。
NTT InterCommunication Center、岩手県立美術館、川越市立美術館など様々なシーンでライブ・パフォーマンスを展開しており、これまでにBrandt Brauer Frick、Machinefabriek、Yves De Meyの来日公演や、2013年にはスペイン、バルセロナのエレクトロニック・ミュージック/ビジュアル・アートのフェスティバル「störung festival」にMoritz von Oswald、Mika Vainio (raster-noton)、Pjusk (12k)、Francisco López (sub rosa)等と共に出演。ポルトガルのThe Beautiful Schizophonic (Crónica)、アメリカのCeler (Spekk)とのコラボレーション・アルバムや『Pleq/Good Night Two』(PROGRESSIVE FOrM)、『Geskia!/323 Sayonara Memories』(Home Normal)など国内外のコンピレーション、リミックス・ワークも多数手掛ける。その他、CM/映像音楽制作やプロダクトのUIサウンドデザイン、コンテンポラリー・ダンスや舞踏の為の作曲、建築音響設計などその活動は多岐に渡る。2014年にはSTEPHAN MATHIEUやLAWRENCE ENGLISHなど良質な作品リリースを続けるフランスのサウンドアート・レーベル”Baskaru”より7年振りのソロ・アルバムのリリースを予定している。
■Release Info
V.A. / VERNACULAR
<http://vernacular.whereabouts-records.com/>
Label:Whereabouts Records (Japan)
今年にトータルプロデュース/コンパイルを手掛けさせていただいた2枚組コンピレーションアルバムです。既に店頭在庫のみで手元に在庫が残っていないのですが、itunesとは別に、ちょっとした特典を盛り込んで年末にデジタルでリリースする予定です。特設WEBページのデザインも凝っているのでぜひ上記リンクから覗いてみてください。
■Party Info
《札幌国際芸術祭2014 プレフェスティバルイベント》
『サウンドプロジェクトワークショップ~都市の音を考える~』
「Tuning the Sound of Sapporo !!」
<http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/pre-event/3rd>
会場:越山計画 日時:2013年12月8日(日)11:00-19:00
・ゲスト:小野寺 唯(音楽家/建築音響デザイナー)
・ファシリテーター:
須之内 元洋(札幌市立大学助教/43d共同主宰)
大黒 淳一(サウンドアーティスト/43d共同主宰)