Arne Nordheim – Solitaire
ノールヘイムの決定盤です。1968 -2003年までの電子音楽作品を総観できる2枚組。ポーランドのレーベルBôłtの初期電子音楽再発作品群はどれも面白いものばかりなので、お勧めです。
Ben Vida – Slipping Control
テクストピースを読み上げてモーフィング/シンセ音に置き換えた作品。とても面白いです。テクストの朗読/発声にTyondai Braxtonも参加しています。音に限らず、テクスト/言葉の動きから別の運動に変換することに目的があるようです。それは色や、印刷物や、映像でもかまわない。シンプルに、音の発生や響きそのものに興味を持って制作する姿勢にとても共感しました。
Christopher Willits – Opening
以前来日した際に背景に壮大な自然の映像を投影していて、気になっていたのですが、本作はそれらの4年越しのプロジェクトの集大成ということです。ニューエイジ的な音色のドローンと、リズムのバランスがすごく気持ちよくて、個人的には同じGhostlyからのTychoのアルバムよりも好んで聴いていました。作中のホワイトノイズは呼吸や、海の音や、霧の音にも聞こえます。
Doron Sadja – Breath Heart Skin
Issue Project Room企画の21chのインスタレーションとして制作されたものをステレオ編集した音源です。作品やサイトのビジュアルとかを見て、何だかヘンテコな感覚の人だなとはずっと思っていたのですが、やっぱりおかしい。チェロやクラリネットを素材に用いているようなのですが、殆ど原型はありません。シンセと高周波がぐるぐる飛び交って、高密度で変容を繰り返すポストヒューマン – ハイパーエモーティブ・ランドスケープ。
惑星のかぞえかた – separate
今年リリースされた2枚のEPのうちのひとつです。この作品は、2つのうたを3つのインストの曲が挟むという配置になっていて、うたも勿論よいのですが、ぜんぶを通して、なんどもなんども繰り返し聞いている、大好きな作品です。
Pawn/Hideki Umezawaプロフィール
1986年生まれ、東京都在住。電子音楽を軸に国内外より10の音楽作品を発表。
2013年にアルバム『Portrait Re:Sketch』をPROGRESSIVE FOrMよりリリース。