Implog – Holland Tunnel Dive
信じられないほどにうるさいエンジン音が終わって、やってくる静けさと引き換えに目前に立ち上がるテナーサックスはその手の極致、到達しうる最高のやつ。コントーションズのドン&ジョディによるImplog名義が80年に残した名曲をサンフランシスコのDark Entriesが再発。今年1番のリイシュー。
Richard H. Kirk – Never Lose Your Shadow
45回転でまわる遠い記憶に目を瞑って夢中になれるなんて素敵じゃないか。78年、82年、87年。ダダイスティックな虚無感と難解極まりない不可解さはキャバレーにはなくてカークのソロにはある。胸いっぱいの愛と敬意を込めて。今年1番の企画盤。
Consumer Electronics – Estuary English
フィリップ・ベストが選ぶその時代最もノイズな男。これまでにラムレーやホワイトハウスをピックアップしてきたこのプロジェクトも82年の立ち上げから数えて今年で32年目。相も変わらず大声で怒鳴り続けるフィリップへと傾れ込む今年のノイズはなんと、ラッセル・ハズウェル。今年1番の饗宴盤。
Shellac – Dude Incredible
いついつまでもやり続ける同じ事。振り返らない、考えない、先しか見てない、そもそもあまりなにも考えていない。べろべろでろでろにヨレヨレのネルシャツだかワイシャツの胸ぐらを掴んで離さないアルビニが守り続けてきたシェラックの7年ぶりニューアルバム。今年1番のウェルカムバック。
shotahirama – post punk
これ以上のものは作れないという気持ちで作るが、完成すると後悔しか残らない。ネガティヴミュージックは好きだが、創作という行為はポジティヴな意欲で溢れている。危ういが、だから生きていける。誰よりも速く。なんてどっかのサイトでいつだかに書いたものをそのまま引用。2015年1月には4枚組CDボックス『Surf』としてめでたくリイシュー。今年1番のポストパンク。
shotahiramaプロフィール
ニューヨーク出身の音楽家、shotahirama(平間翔太)。中原昌也、evala、Ametsubといった音楽家に注目され、VICEをはじめ国内外様々な雑誌やメディアにて高い評価を得ている。Oval、Kangding Ray、Mark Fell等のジャパンツアーに出演。代表作に「ノイズ、グリッチミュージックの新機軸」と評されたCDアルバム『post punk』や4枚組CDボックス『Surf』などがある。