[FEATURES] BISK’s Best 5 Music of 2012


[BEST 1] Sven Kacirek – Scarlet Pitch Dreams

楽曲の構成手法はエレクトロニカ的でありつつも、現代音楽やジャズ、電子音響といったあらゆるエレメントが複雑に絡み合いつつ決して破綻することなく終始調和し静謐に鳴りつづける驚異的な作品。すべてスコアに落とした上での生演奏であることも驚きだが、そうであるが故の徹底してストイックな音響設計にひたすら舌を巻く。

[BEST 2] Yannah Valdevit – Gotta Keep Me Goin

クロアチアのシンガー/プロデューサーYannah ValdevitのEP。
自身がボーカリストでもありピアニストでもあることから、シンプルなビート展開の上で流れるヴォーカルライン・弦やエレピを中心とした軽快なアレンジワークの組み立てが非常に上質。
奇をてらうことなく美しい歌声と丁寧で的確なアレンジがあれば耐久性のある作品になるということを再認識させてくれた作品。

[BEST 3] Lazer Sword – Memory

エレクトロやダブステップ、アシッドといった要素を取り込む雑食型のビートメイカーの中で今最もそれらを巧く消化し昇華させているユニット。
これだけ数多くの要素を詰め込み多様性がありつつもアルバム全体の統一感と緊張感を保てる人はなかなかいない。
1stアルバムの頃から常に期待を裏切らない出来。

[BEST 4] Flying Lotus – Until The Quiet Comes

「何度も聴いた作品」ではなく「最も印象に残ったすごい作品」なら間違いなくこれ。
これまでもトラック毎のエッジ感という意味では強烈な印象を残していたが初めてアルバム作品として重層的な独自の世界観を描き切ったと思う。
とにかく深い感銘を受けた。

[BEST 5] Dwele – Greater Than One

甘いヴォーカルと丁寧なコーラスワーク、コンテンポラリーR&Bのお手本のようでありながらどの曲にも適度なギミックが施され、何度聴いても飽きない。
ベーシックなR&B的展開でありつつも随所に遊びを散りばめたアレンジと繊細な歌声が絶妙に調和していて、多面的な魅力ある作品。

Release Info

「MEMORABILIA」
2012年7月リリースの通算5枚目のフルアルバム。
Amazon,iTunes,Beatportなどで発売中。
http://www.amazon.co.jp/Memorabilia/dp/B008FZX9KA

「Preparing For The Next」
2012年7月リリース。
未発表音源やライブ音源を纏めた限定無料DL作品。
http://bisk.bandcamp.com/

Party Info

2013年1月31日
代官山SALOONにて開催の定期イベント「submeditate.」
ゲストLiveとして出演予定

BISKプロフィール

1995年、21歳でベルギーの実験音楽レーベルSubRosaと契約。同レーベル所属の5年間に4枚のアルバムをリリーし、グリッチやカットアップを多用しながらテクノの領域を大胆に逸脱する「エレクトロニカ」領域を開拓。
その他、ビル・ラズウェルのリミックスやAuteche・Squarepusherらと共にEast Flatbush Projectのリミックスアルバムに参加、また、英WIRE誌の年間ベストディスク100枚の中に選ばれ米URBマガジンでは日本人として「NEXT100(次にくる100人)」にも選ばれるなど活動の場を広げつつあったが、2000年に活動を休止。
そして、2012年夏12年ぶりに新作「MEMORABILIA」をドイツのレーベルShhhhから発表。IDMやテクノ/ハウス、R&Bに至るまで様々なジャンルのエレメントを吸収した意欲作が完成。
また同年11月には未発表音源やライブ音源などをまとめた「Preparing For The Next」をBandcampで無料公開。現在、2013年リリース予定の次作を制作中。

http://bisk.jp
http://bisk.bandcamp.com/
http://soundcloud.com/aka_bisk

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