[Interview] Lady Citizen


– まず始めに音楽的な背景を教えてください。10代の頃等どういった音楽を聴いていましたか? また、クラブミュージックを聞くようになったきっかけなどあれば教えてください。

中学生の時、たまたま当時のファッション雑誌に載っていたOasisのインタビューを読んだのがきっかけでUKの音楽に興味を持つようになりました。その後は友人に教えてもらったRageAgainst the Machine、The Smashing Pumpkins、The goo goo dollsとかUSのミックスチャー、オルタナ系を聴いていましたが、RageのLive albumのライナーノーツにビートニク詩人アレン・ギンズバーグのことが書いていて、そこからサイケな音楽をよく聴くようになりましたね。13th floor elevatorsとか。Club Musicは最初エレクトロニカが入り口です。Takagi Masakatsuさん、Aoki TakamasaさんのユニットSilicomのDVDみたさにDVDデッキ購入したのを今でも覚えています。その後は大学生の時、友人にKyoto Jazz MassiveとかJazztronikさんとかClub Jazzをすすめられてよく聴いていました。ただそれと平行してバイト先の先輩にもらったAcid Houseの古いコンピとかURとかも聴いていましたね。

– Lady Citizenとしての活動はいつくらいから始めたのでしょうか?

Lady Citizenは今から7年ほど前オーストラリアのメルボルンという街に住んでいた時始めました。最初はJazzy Hip hopとか、Glitchな音楽が好きで、サンプリングしてEditするという感じの曲が多かったですね。

– これまで数多くのリリースをしてきたと思いますがその中でも特に印象に残っているリリース等あれば教えてください。

「Sunset Loop EP」というものがありまして、ANという日本のレーベルからデジタルリリースしたものですね。実は日本のレーベルからリリースの話をいただいたのはそこがはじめてでした。オリジナルMIXはすでにそこのコンピレーションCDに収録していただいたんですが、デジタル盤を出すにあたり、Sunset loop(Reprise)と、Sunset Loop – LC Urban Sunset mixという前者はにわかに海外でも流行り始めていたエレクトロハウスにDubstep風のWobble Bassをブレイクに突っ込むというスタイルを取り入れ、後者はこれまたUK Funkyが取り上げられだした時期でそういうトレンドをいち早く取り入れようとして時期でした。

– 現在はロンドンを拠点に活動中ですが、日本とロンドンのクラブシーンについて違いはありますか?

日本はどうしても東京のトレンドが中心で、それが全国に拡散されていく感じですよね。あと人気ジャンルの影響力がとても強いと思っています。英国は地方から起こる音楽、昔だったらTrip Hopとか、ちょっと前だったらWonkyとかそういうのがロンドンに入ってきて世界に拡散されるみたいなところが面白いし、やはり音楽が盛んな都市ですので、色々なジャンルの音楽が聴けるのが良い所だと思います。例えば週末、今日はHard Techno聴きたいなと思ったら、Surgeonのパーティーとかが普通にやっていたりします。非常に大雑把な例ですが、日本ではあまり現場で聴く事が出来ないパーティーが沢山あるのは一音楽ファンとして嬉しい限りです。

– ロンドンを拠点にすることで楽曲制作に関する影響はいかがでしょうか?

ちょっと前なら最新の音楽を勉強して自分の作品に取り入れるのにやっきになっていたのですが、ロンドンに移ってからはそういった最新の音楽を聴いて、一旦考えて、その上で自分の作品にオリジナリティーを出すにはどうしたらいいか?ということを考えられるようになったのは大きいかなと思いますね。レベルの高い模倣ではなく、どうしたら海外のシーンに受け入れてもらえるかというのをよく考えています。

– DJ/アーティストとしての活動の他にも”FUXX THE HYPE”というブログメディアも運営していますが立ち上げたきっかけを教えてください。

前述しましたが、単純に日本国内はどうしてもシーンが一本化されているところがあって、その本流に乗る事ができなかったら、なかなか世間の人に知ってもらえないってのがありますよね?自分の周りにはすごく良いDJや、トラックメイカーさんが沢山いて、そういう現状になんとか抗いたいと思って始めたのがきっかけです。

結局、そういった本流ってやはり個人の力ではなかなか動かせないんですよね。でもどういうわけか、一人でなんとかしようとして、壁にぶち当たる。それは時間の無駄だし、そうこうしている間にまた海外に差をつけられる。一人では無理でも実力がある者が結集すればなんとかなるのかなと。

あと、やはり単純に音楽のファンなので、毎回取り上げさせていただく方に、良い音楽を聴かせていただいて、また勉強させていただいてありがとうという感謝と敬意を込めて紹介させていただいているつもりです。

僕もかつて、日本のクラブシーンに全く受け入れてもらえず、よく文句を言っていました(笑)。人間の心は弱いからそんなもんですよね。でもそれじゃ何も変わらない。だからもっと色々考えようと。僕がもっと世間に知っていただけたらこのブログも知ってもらえるし、このブログで紹介しているアーティストも知ってもらえる。そうすることで、今のシーンに食い込む、変えていく原動力になればと思っています。

Blogger
Google のウェブログ公開ツールを使って、テキスト、写真、動画を共有できます。

– ロンドンで開催されているパーティーのレポート等もあって毎回とても興味深い内容が多いのですが、最近行かれた中で印象に残っているパーティーやアーティスト等を教えてください。

そうですね。一番はScubaの出演していたパーティーです。彼はHotflushというレーベルをやっていて、どちらかというと”Bass Musicの人”という印象が強いのですが、DJ自体はFrankie Knuckles、Satoshi Tomieとかの曲もかけたりもするし、かなり幅広く、また知識、キャリアの豊富さを感じさせてくれたので個人的に面白かったです。

あとEast Londonで”Dystopia”というパーティーがあるのですが、そこのセレクトは毎回本当におもしろいです。

– 次に、10/20にリリースする”Ash colored EP”について教えてください。 1曲目の”Circle Friends”等もダブテクノ/ミニマルダブをベースとしながらも、所謂Basic Channelのスタイルを継承しているわけではなく、昨今のBass Music等の影響も受けているように感じたのですが、EPの制作に関するエピソードがあれば教えてください

ちょっと前までLady CitizenはBass Music系のDJ,トラックメイカーという風に考えてくれている方が結構いたりするのですが、実は僕はDub, とりわけON-UなどのUK Dubにすごく影響を受けているのです。
もちろん、Basic Channelはすごく好きで、1990年頃のAndrew Weatherallとかからも影響を受けていますが、今回は単純にDub処理した残響エフェクトとか近年影響を受けていたUK Bassの感じを掛け合わせて4つ打ち系の物を作りたいなと考えたのがきっかけです。

– 最近のお気に入りの曲を教えてください。

FTH Blogに取り上げている曲は全て最近のお気に入りですが、あえてあげるならこの3曲ですね。
1. Dadub – Metropolis
2. Broken haze – One Dimentional Machine Sex

3. Kidsuke (kidkanevil x Daisuke Tanabe) – Tiny Concrete Block

– 最後に今後の活動予定を教えてください

まず10月中は日本で下記日程でDJさせていただきます。
10/19 Love Tribe @ Daikanyama Air, Tokyo
10/20 AN/AY Showcase @ Bullet’s, Tokyo
10/25 glam @ Onzieme, Osaka
10/26 Interplay @ Club Move, Otuその後ロンドンに戻り、11月にロンドンでDJしたり、今進めているプロジェクトに取りかかる予定です。
また12/31に上海でのDJが決定いたしましたので、そのくらいの時期に日本にもまたちょっと滞在する予定です。

リリースの予定は
10/20に日本のAN/AYさんからAsh colored groove EPというオリジナルEP,
そして10月末にはMix CD/FH03 – Voice from E1 5DSもリリースします。
それと年明けくらいにポーランドのダンスミュージックコンピレーションに曲を提供したものが
発売されたり、来年にはCD full albumもリリースする予定です!

Lady Citizen – Ash colored EP

2012.10.20 (土) beatport exclusiveリリース
Label:AN
Cat:AN030
1. Circle Friends
2. On my way
3. Near future
4. Phantom tech
5. The love burns
6. Body

[peak silence EXCLUSIVE]
48時間限定で”Ash colored EP”に収録の”Circle Friends”をフリーダウンロードで公開
ダウンロード期間:2012年10月18日0:00〜2012年10月19日23:59
※無料ダウンロード期間は終了しました。

Party Info

2012.10.19(金)
“LOVE TRIBE” @代官山Air
【ARTIST】JAZZTRONIK, KEIZOmachine!, Mitsu the Beats, Lady Citizen, ONI, Lily (Tap dancer), datdesign, i-sakurai (ugdrcl), VITA, SHIGe

2012.10.20(土)
“AN/AY Showcase 01 -Layer Forest Release Party-” @西麻布Bullet’s
【ARTIST】Lady Citizen,def,Lutris,kazuya kawakami,JUNICHI WATANABE,terra,Reqterdrumer,beople,katsuyuki taguchi

2012.10.25(木)
“glam” @大阪Onzieme
【ARTIST】Lady Citizen, Jaguar, keiburger, KEN-P, h.nakajima, TARO, SKINNY, tommy

2012.10.26(金)
Interplay @ Club Move, Otu

Lady Citizen
Lady Citizen / Disco house, Electro, Disco Dub, Dub, Dubstep, Bass, Left field / DJ / AN, AY, Code2, Rankadank, Fuxx The Hype / East London

Lady Citizenプロフィール


ロンドン在住の音楽プロデューサー、Jun Fukunagaによるソロプロジェクト。これまでにHouse, Electro, Techno, Progressive House, Bass MusicなどのオリジナルEPをドイツ、イギリス、アルゼンチン、ベルギー、タイ、アメリカ、日本、イタリアなどのダンスミュージックレーベルからリリース。

リミキサーとしても積極的に活動中。その作品はJuno download, djtunes.comなどヨーロッパベースのデジタル配信サイトの上位にランクインすることもしばしば。

また2011年、世界のトップクラブとして名高いイビザのクラブ、Amnesiaが運営するRadio AmnesiaがKing Jackal/U ask for me – Lady Citizen Remixをエアプレー。改めてそのトラックメイキングのクオリティーを証明する事になった。さらに最近ではLady Citizenの曲, DJ mixは多くのMusic web magazine, Music
blogにフィーチャーされ、またここ日本でもMusician/Producer/DJであるTaku Takahashi(m-flo)のTCY Radio/block FM等で何度もAir playされている。

DJとしては2012年8月に行われたBerlin(GER)でのDJ tourも現地のクラウドから熱狂的に支持され、10月には上海、北京、東京、大阪、名古屋などを回るアジアツアーが予定されている。

今後はCDアルバム「Dub tech laboratory」と2013年発売予定のLondonのシンガーをプロデュースしたCDアルバムのリリース予定。

http://soundcloud.com/lady-citizen
https://www.facebook.com/ladycitizen
http://ladycitizen.tumblr.com/
http://twitter.com/#!/LadyCitizen69
http://residentadvisor.net/dj/ladycitizen
http://www.myspace.com/ladycitizen69
http://fuxxthehype.blogspot.co.uk/

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